
加齢と共に転倒しやすくなる?避けたい高齢者の転倒
転倒がきっかけで要介護になることも
いくつになっても自分の身の周りの事は出来るだけ自分で出来るようにしたい。 高齢化社会が加速する現代は、寿命を延ばしたいという願いよりも、健康で自分の事は自分で出来る健康年齢を出来る限り延ばしたいと願う方が増えています。 高齢者が増えても若者が増えず、安心して人に頼ることが出来なくなっている世の中。 健康年齢を高める際に重要と言えば転倒防止です。 年齢を重ね、高齢者になると共にちょっとしたことが原因で転倒しやすくなってきます。 転倒をし、骨折をしてしまうと、場合によっては健康年齢を縮めてしまう危険性があり、転倒がきっかけで自分の事が自分一人ではできず、人に頼らなければできなくなる要介護となってしまう危険性があるのです。 どんなに気を付けていても、転倒の危険性というのは年齢を問わず、誰でもあり得ることです。 しかし、若者と高齢者との違いは転んでしまった時のダメージの大きさです。 転ぶ前までは元気ではつらつと生活出来ていた高齢者が、転倒したことにより、寝たきりになり、急激に衰弱してしまう場合もあるのです。 最悪の場合は命を落とす危険も伴っているため、高齢者の転倒事故を出来るだけ防止するように本人も周囲も出来る限りの転倒リスクを減らせるよう、話し合っておく必要があります。 今回は出来る限り転倒しないようにするための転倒防止方法・予防方法・安全対策について色々とご紹介していきましょう。
出来るだけ家の中で転倒しない環境を整えましょう
高齢者の転倒リスクを減らすためには出来るだけ転倒を引き起こす可能性のある障害物を排除すること。 そしてスムーズに家の中を動けるようにするよう、高齢者の立場になって配慮することが大切です。 高齢者のいる家庭は暗い照明の中を歩くことの無いように、出来るだけ明るく見やすい照明にするなど照明器具には注意を払いましょう。 廊下や階段、トイレやお風呂などには滑りにくい手すりを取り付けると安心です。 高齢者が行き来する足元は荷物を置かない事です。 雑誌や新聞紙、衣類やコンセント類などは避け、安心して移動できるようにしましょう。 玄関マットや台所マット、お風呂場に敷くマット類はすべる、つまづくなどの危険性があります。 滑らないしっかりとしたマットを敷くなど十分に注意をするようにしましょう。 高齢者にとって小さな段差もつまづき、大きな事故となる場合があります。 段差が気になる場合はじゅうたんなどの敷物などで出来るだけ段差を作らないようにしましょう。 また高齢者は何かと物によりかかる傾向があります。 ちょっとしたふらつきで家具に寄り掛かろうとしたとき、キャスター付きの家具ですと体重が支えきれず、ぐらつきや転倒の恐れがあります。 高齢者が通る場所は不安定な家具や物を出来るだけ置かないようにしましょう。 室内を歩くときは滑りにくく歩きやすい靴下・ルームシューズを選ぶようにしましょう。 靴下は滑り止めが付いているものが理想的。スリッパは滑りやすく脱げやすいので転倒の大きな原因となるので避けましょう。
転びにくく、転んでも大きな怪我をしないような体力づくり
高齢者の転倒を防ぐため、また転倒しても大きな怪我とならないようにするためには日頃からの体力作りが重要となります。 転倒しないためにはその場から出来るだけ動かないようにすることです。 しかしながら歩かせないようにし、周りの事を全ての行ってしまうといった方法を家族がとってしまうと、高齢者は転ぶことは無いですが、運動不足となります。 その結果、体力も衰え、これもまた健康年齢を低くしてしまう危険性があります。 また、高齢者のやりたいことを制止してしまうというのはサポートをしてあげている事にはなりません。 自分で出来ることは自分で行えるようサポートし、転倒の危険性を出来るだけなくしてあげるようにサポートすることが重要となります。 高齢者が転びにくく、たとえ転んでも大きな怪我をしないようにするためには環境を整えるのが重要とご紹介しましたが、日ごろからの転倒予防のための運動も重要となります。 特に大切なのが足首、足の指のストレッチです。 しっかりと歩くためには体重を支える足の指が良く動くこと、足首を柔らかくしておくことが大切です。 毎日朝のうちに足の指を開いて閉じる運動や足首を回す運動、足の指をマッサージするなどのストレッチを行うと効果的です。 また、高齢者のための筋力やバランス、持久力やステップ・歩行運動などの複合した運動プログラムを行っている教室などもあるので、利用してみるのもおすすめです。 また、インターネット動画などでも調べることが出来るので、上手に活用し、家族で一緒に行えば、楽しみながら体力づくりができます。
定期的な健康診断と視力検査は大切
高齢者の転倒を予防・防止するためには定期的な健康診断と視力検査を行う事も重要です。 加齢と共に視力というのも衰えがち。視力の衰えは転倒を引き起こす危険性があるので、定期的に検査をするようにしましょう。 また、転倒の原因は病気によるものや使用している薬が影響する場合もあります。 血圧の薬や心臓の薬、利尿薬や抗うつ薬などを使用している場合は注意力に悪影響を及ぼす場合があります。 また、認知症などが進むと転倒のリスクも高まります。 定期的な健康診断を行うことにより、身体の病気・認知症の有無や薬の影響などを医師に診断してもらいながら相談することが出来ます。
転んだ時の衝撃を少なくする予防具やグッズを使用する
高齢者の転倒を予防するためには転んだ時の衝撃を少なくする予防具やグッズを使用する方法もあります。 転倒した時の衝撃を少なくしてくれるパットが付いた下着のヒッププロテクターや頭部の外相などを予防する頭部保護帽子、ベッドや椅子からの転倒を防ぐための衝撃を吸収するマット、階段用すべり止めシート、万能すべり止めテープ、滑り止め浴槽マットなど様々な予防具やグッズが販売されています。 比較検討し、高齢者の現状況を見ながら本人とも話し合い、必要性があると感じたら使用してみると良いでしょう。
バランスの取れた食事や運動効果を高めるサプリメントで転倒防止
高齢者の転倒防止のためにはバランスの取れた栄養を摂る事が大切。そのためにはバランスの良い規則正しい食事を心掛けることはとても重要となります。 骨を丈夫にするカルシウムや筋力を高めるためのビタミンD、たんぱく質などが高齢者は不足しがちです。ある程度の年齢になると肥満の心配というのは少なくなるので、野菜だけでなくお肉やお魚などもしっかりと摂取することが大切となります。高齢者は粗食で良いというのは間違いです。 しかし、高齢者になると食事の量は減りがちでなかなかバランスの良い食事を心掛けていても十分な栄養を摂取することが出来ない方が多いです。 食事だけでは摂取しきれない、不足しがちになりそうな栄養素はサプリメントなどで上手に補うようにすると良いでしょう。 また、高齢者になると歯や飲み込む力が弱くなるため、せっかくバランスの良い食事を作っても食べにくいものは避けてしまい、柔らかく自分の気にったものだけ食べる傾向も強くなります。食事を用意する際には栄養バランスだけではなく、高齢者の食べ方や好みの味付け、柔らかさ、飲み込みやすさなどを工夫することも大切です。 高齢者本人の希望を聞き、出来る範囲内で無理なくで良いので、高齢者が転倒防止につながる栄養がバランスよく美味しく食べられるような食事作りを心掛けましょう。